Didier van Cauwelaert
J.M. WESTONの創業120周年を記念して、出版社「Le Cherche-Midi」より書籍『J.M. WESTON』が刊行されました。著者はディディエ・ヴァン・コーヴェラール(Didier Van Cauwelaert)。この書籍では、彼とJ.M. WESTONとの特別な絆が語られています。
ディディエ・ヴァン・コーヴェラールは、小説『片道切符(Un Aller Simple)』でゴンクール賞を受賞した作家であり、これまでに25作の小説を執筆し、その作品は30以上の言語に翻訳されています。

J.M. WESTON, A FRENCH STORY
リモージュにある一軒のシューメーカー、英語の名を冠し、やがてパリジャンのエレガンスの象徴となったその特別な物語を語るには、小説家こそが最適な語り手でしょう。
本書では、画家モーリス・ユトリロ、小説家マルセル・エイメ、歌手バルバラ、俳優フィリップ・ノワレといった人物たちが、いかにして“ウェストン・スピリット”に独自の彩りを添えてきたかが描かれます。
登場するのは、フランス歴代大統領をはじめ、1920年代の華やかな社交界の面々、戦後の「ドラッグストア・ギャング」、そして数え切れないほどの無名の愛用者たち。彼らの人生は、そして著者自身の運命もまた、J.M. WESTONの靴によって変えられていったのです。
それはまさに、“フィット感”と“耐久性”を何よりも重視した視点から見た20世紀の物語。
そして同時にこの本は、クラフツマンシップ、妥協なき美意識、時代を超えた美、そして「夢のために理性を使う」ことを信じる創造者たちの反骨精神への、知的でありながらも心躍るオマージュです。

J.M. WESTONは創業120周年を記念し、パリ・イエナ通りにあるタウンハウスを一般公開しました。この記念すべき節目を祝うために出版された書籍『J.M. WESTON』(ディディエ・ヴァン・コーヴェラール著/Cherche Midi刊)を紹介する特別なイベントとして開催されたものです。
当日は書籍のいくつかの章をインスタレーションとして表現し、詩的な演出を通じて著者の言葉が体感できる空間が広がりました。たとえば「クロッシュ・クラブ(Club des Cloches)」を象徴するガラスのベルのインスタレーションでは、ソールの張替えがされた靴のソールに押される鐘のマークを連想させる仕掛けが来場者を魅了しました。
また、「職人の歌(Chant des Artisans)」と名づけられた部屋では、リモージュの工房で録音されたマルク=アントワーヌ・ベルダンによる音響作品を通じて、マニュファクチュアの日常が音で表現されました。
さらに、60年代の雰囲気漂う「ドラッグストア・バー」も登場。そこでは、フランソワ・アルマネ監督による映画『La Bande du Drugstore』が上映され、当時の“ドラッグストア・ギャング”の時代が再現されました。
そのほかにも、著者ディディエ・ヴァン・コーヴェラールによるサイン会や、イラストレーターのジュリアン・ルーによる「WESTONを履いたゲスト」の似顔絵コーナーなど、ブランドの世界観を多面的に体験できる充実した内容となりました。
 
  
  
  
  
  
  
  
  
  







